タイ国麻薬患者更正・職業訓練施設
メーコック財団
2017年10月15日更新
「メーコック財団」(Mae Kok Foundation 略:MKF)は「メーコックファームプロジェクト」(Mae Kok Farm Project)の活動終了後にその活動を引き継いだものです。 「メーコックファームプロジェクト」は、P-トラベルサービスのオーナーでありマネージャーのピパット・チャイスリン氏と、麗澤大学竹原茂教授、聖学院高校教諭戸辺治朗氏によって1992年に設立されました。初期の活動はチェンライ教育大学(現チェンライラチャパット大学)経済学部観光科の教員と学生らの協力と支援の下に始まった「スタディーツアー」でした。地域の村やタイ北部山岳地帯の少数民族を訪れ、その生活を経験するというこの活動には、タイ人や海外の学生及び関心を持った人々が参加しました。当時学生や村の人々と話し合い、意見交換を通して、それぞれの地域の環境、麻薬、貧困、売春、そして教育の問題をつかんでいきました。 麻薬はとても深刻な問題で、また様々な問題を引き起こします。特に子どもや青年にとって深刻で、どの地域でも固有の教育が必要とされています。麻薬問題の予防方法、解決方法は理解され、知られなければなりません。しかし、この地域の多くの両親や保護者自身が麻薬中毒者でした。麻薬問題を大部分、もしくは完全に解決しない限り、子どもの教育は困難です。 このような背景から、メーコックファームプロジェクトタイはプロジェクトが設立されました。1996年から2000年の5年にわたって、タイ国内外のNGOや政府の協力を得ながら、麻薬中毒の治療とリハビリテーション活動を行いました。プロジェクトはまた、日本郵政省(現総務省)の国際ボランティア貯金から助成金をいただきました。151人に麻薬治療とリハビリテーションが施されました。内訳は男性が129人、女性が22人、22人はタイ人、129人は山岳民族でした。 2000年にこのプロジェクトを終了し、村でのフォローアップを開始しました。両親が麻薬やエイズで亡くなったり、離婚して預けられたりしているため面倒をみる保護者のない子どもが多くいることがわかりました。子どもたちは食べ物も着るものもなく、教育もありませんでした。これらの恵まれない子どもたちはプロジェクトに受け入れられ、支援を受ける必要がありました。 プロジェクトは念願の財団設立の申請をした結果、2003年3月19日に正式にタイ政府より「メーコック財団」として認可されました。 上記の他に、メーコック財団は地域の農作物の栽培や、鶏やアヒルの飼育、溶接や建築、刺繍などの職業訓練活動を行っています。この活動はまた麻薬から遠ざける予防にもなります。子どもたちの技術は将来、家族や地域のために役立つことを願いつつ、日々新たな問題と取り組んでいます。
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<リンク>
メーコック財団について(麗澤大学のページ)
メーコック財団だより